病院指標
医療の質と安全向上のために、全国統一の定義と形式に基づいた病院指標を作成し情報公開しています。
病院指標について
INDICATOR
当院では、国が推奨する医療費支払い制度であるDPC包括支払制度のDPCデータを用い、全国統一の定義と形式に基づいた「病院指標」を作成し、情報公開を行なっています。
情報を公開することで、当院の得意とする治療や特徴、急性期医療の現状を知っていただくことを目的としています。また「病院指標」を評価および分析することにより、医療の質の向上を図ってまいります。
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
病院指標
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 15 | 44 | 23 | 29 | 65 | 107 | 227 | 403 | 434 | 213 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
160800XX02XXXX | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 123 | 58.53 | 25.29 | 0.05 | 84.12 |
070230XX01XXXX | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 95 | 40.17 | 21.38 | 0.01 | 75.21 |
160690XX99XXXX | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし | 63 | 47.43 | 19.16 | 0.03 | 84.17 |
160760XX01XXXX | 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 | 63 | 14.75 | 5.95 | 0 | 65.40 |
07040XXX01XXXX | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 57 | 39.42 | 18.76 | 0.02 | 70 |
整形外科では、外傷による股関節・大腿近位骨折が多く、次に胸腰部の圧迫骨折や前腕の骨折による入院が多くなっています。変形性関節症や手根管症候群などの変性疾患の患者様についても入院時より切れ目なくリハビリを行います。急性期病棟から回復期病棟等へ転棟しリハビリの継続加療を行っており、平均在院日数が長くなっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
110310XX99XXXX | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 20 | 32.30 | 13.66 | 0.05 | 84 |
040081XX99X0XX | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし | 16 | 44.88 | 20.78 | 0.44 | 91.44 |
100380XXXXXXXX | 体液量減少症 | - | - | 10.26 | - | - |
10007XXXXXX1XX | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり | - | - | 13.77 | - | - |
050130XX9900X0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | - | - | 17.33 | - | - |
当院の内科では尿路感染症、次に誤嚥性肺炎の患者様が多く、平均年齢も80歳を超えています。入院中から多職種が関わりでADLや嚥下機能の改善を目指しており、地域の医療機関や介護福祉施設等とも連携を深めています。
※個人情報が特定できないように、10件未満の数値は-(ハイフン)を記入しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
070343XX97X0XX | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし | 38 | 24.74 | 15.41 | 0 | 68.05 |
070343XX01X0XX | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし | 25 | 31.88 | 19.60 | 0 | 69.48 |
010060XX99X40X | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし | 24 | 25.08 | 16.89 | 0.04 | 74.46 |
160100XX99X00X | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 19 | 16 | 7.99 | 0.05 | 77.84 |
160690XX99XXXX | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし | 19 | 37.16 | 19.16 | 0.11 | 81.21 |
脳神経外科では、脳卒中・頭部外傷、脊椎脊髄疾患に対応する体制を整えております。腰部脊柱管狭窄症や圧迫骨折などの疾患については、手術や保存的加療など患者様の状態に応じた治療を行っております。
初発 | 再発 | 病期分類 基準 |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
大腸癌 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | 1 | 2 | 9 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
肺癌 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | 1 | 1 | - |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
5大癌と呼ばれる、胃癌、大腸癌、乳がん、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病気分類別、および再発に分けて集計しています。UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転位状況、③遠隔移転の有無 の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
※個人情報が特定できないように、10件未満の数値は-(ハイフン)を記入しています。
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | ‐ | ‐ | ‐ |
重症 | - | - | - |
超重症 | ‐ | ‐ | ‐ |
不明 | - | - | - |
市中肺炎とは、一般社会生活をおくっている人に見られる肺炎のことをいいます。
重症度分類は「尿素窒素(BUN)・脱水あり」「SPO2」「意識障害」「血圧」「免疫不全状態」「肺炎重症度規定因子」を基準に評価し、その結果評価指数が高いものが重症となります。
重症度は軽症、中等症、重症、超重症に分類されます。
当院では中等症の患者さんが多くなっており、重症度が高くなるほど平均在院日数は長くなります。
※個人情報が特定できないように、10件未満の数値は-(ハイフン)を記入しています。
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 25 | 41.72 | 78.36 | 0.12 |
その他 | 25 | 115.48 | 77.56 | 0.08 |
当院では、CTやMRIなどで早期診断を行い、脳保護療法や抗凝固療法などの初期治療から在宅復帰に向けた早期リハビリまで手厚く行っています。
他院からのリハビリ継続治療も積極的に受け入れ、患者様のADL向上を目指して取り組んでいます。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(膝) | 163 | 1.34 | 37.89 | 0.01 | 73.4 |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 103 | 3.17 | 53.74 | 0.02 | 78.49 |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕) | 89 | 2.03 | 18.35 | 0 | 59.81 |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 52 | 2.87 | 47.33 | 0.08 | 82.33 |
K093-2 | 関節鏡下手根管開放手術 | 42 | 1.1 | 4.26 | 0 | 70.71 |
当院では専門外来として関節症センター・手外科センターを設け、股関節、肩関節、膝関節、脊髄疾患、手・指・肘の疾患及び、スポーツなどによる障害などに分類し、専門医による治療を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) | 51 | 2.63 | 24.39 | 0.02 | 67.94 |
K1423 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方椎体固定) | 26 | 6.69 | 30.54 | 0 | 71.04 |
K1342 | 椎間板摘出術(後方摘出術) | 13 | 1.23 | 12.23 | 0 | 47.23 |
K142-4 | 経皮的椎体形成術 | 11 | 3.82 | 22.73 | 0 | 86.36 |
K1344 | 椎間板摘出術(経皮的髄核摘出術) | - | - | - | - | - |
脳脊髄外科と整形脊椎専門医師が協力し脊椎固定術や椎弓形成術・椎弓切除術などの手術を行っています。また、頭部の慢性硬膜下血腫の手術も行っております。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固 | 異なる | ‐ | ‐ |
180040 | 手術・術後の合併症 | 同一 | ‐ | ‐ |
最も医療資源を投入した傷病名が「播種性血管内凝固症候群」「敗血症」「その他の心筋症および手術・術後の合併症」について全退院患者に対する「入院の契機となる病名」が同一か異なるかの患者数・発生率を示しています。当院では手術・術後の合併症については、高齢化に伴う転倒等による人工股関節の脱臼により緊急入院となった方がおられます。
※個人情報が特定できないように、10件未満の数値は-(ハイフン)を記入しています。
医療の質指標
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の 手術を施行した退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した 患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 |
---|---|---|
597 | 562 | 94.13% |
リスクの高い手術例において、術後合併症である肺血栓塞栓症の予防をしております。肺血栓塞栓症は、血栓の大きさや血流の障害の程度によって軽症から重症までのタイプがあります。血栓によって太い血管が閉塞してしまうような重篤な場合には、肺の血流が途絶し酸素が取り込めなくなり、ショック状態から死に至ることもあります。
当院では弾性ストッキングの使用、フットポンプの利用、薬物的予防などの予防対策を行っており、94%の患者様に対して予防的抗凝固療法を行っています。
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
99 | 92 | 92.92% |
広域抗菌薬を使用する際は、投与開始時に血液培養検査を行うことが望ましいとされています。また、血液培養は1セットだけでは皮膚の常在菌が混入する可能性や疑陽性になり過剰治療が起こることがあるため、2セット以上の採取が推奨されています。当院における血液培養2セット実施率は92%でした。
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
65 | 58 | 89.23% |
近年、新たな抗菌薬耐性菌が出現し、難治症例が増加しています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬の適正使用が求められています。
抗菌薬の適切な使用を行うために当院では89%の症例において培養検査を行っております。
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数(分子) | 転倒・転落発生率 |
---|---|---|
49540 | 168 | 3.39‰ |
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくなく、入院による環境の変化や治療・手術などによる身体的変化など様々な要因があります。転倒・転落によって患者に傷害が発生した事例と、傷害までには至らなかった事例を併せて報告し、それらを分析することで、転倒・転落が発生する要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施し、転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが転倒による傷害予防につながります。
退院患者の在院日数(分母) | インシデント発生件数(分子) | インシデント発生率 |
---|---|---|
‐ | ‐ | ‐ |
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくなく、入院による環境の変化や治療・手術などによる身体的変化など様々な要因があります。転倒・転落によって患者に傷害が発生した事例においては多方面から分析を行い、再発防止に取り組んでいます。導かれた予防策を実施し、転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが転倒による傷害予防につながります。当院の発生件数は10件未満であり、良好な結果です。
※(分子)が10件未満のため、-(ハイフン)を記入しています。
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が 実施された手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
‐ | ‐ | ‐ |
現時点で細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために抗生物質をあらかじめ投与することを予防的抗菌薬投与といいます。開胸・開腹を伴う手術等は手術開始前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。当院では開腹手術はおこなっておりませんので、上記の結果となりました。
※(分子)が10件未満のため、-(ハイフン)を記入しています。
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
33715 | 14 | 0.04% |
褥瘡は、看護ケアの質評価の重要な指標の一つです。褥瘡は患者さんのQOLの低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治療が長期化することにより、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。褥瘡の発生予防は、医療の提供における重要な項目の一つとして捉えられます。入院中に褥瘡を発生させないため、更なる看護ケアの質の向上を目指します。
65歳以上の退院患者数(分母) | 分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
---|---|---|
1278 | 912 | 71.36% |
栄養管理は全ての治療の基盤であり、疾病の治癒や予後に大きな影響を及ぼします。特に65歳以上の高齢者の患者様における栄養管理は、入院中の治療やリハビリテーションのみならず退院後の生活にも影響を与えるものです。当院では栄養スクリーニング(MUST)や低栄養診断であるGLIM基準を実施し多職種で栄養管理計画書を作成し、治療の促進に努めております。今後も患者様の予後改善のために適切な介入を行います。
退院患者の在院日数の総和(分母) | 分母のうち、身体的拘束日数の総和(分子) | 身体的拘束の実施率 |
---|---|---|
49540 | 527 | 1.06% |
身体拘束は、患者の自由を制限するのみならず、尊厳ある生活を阻害するものです。患者、または他の患者の生命または身体を保護するための措置として、緊急にやむをえず身体的拘束等を行う際には、「切迫性」、「非代替性」、「一時性」の3つの要件を満たす場合に、患者または家族の同意を得た上で行っています。この場合には、毎日のカンファレンスにて軽減・介助を検討しています。
当院は急性期から回復期・慢性期の療養機能を有するケアミックス型病院であり、患者様の状況に応じた医療サービスを提供しています。医師・看護師・リハビリスタッフ・ソーシャルワーカーなどの多職種がチームを組み、在宅復帰支援を行っております。当地域は高齢化率が高く、退院された患者様の約82%が60歳以上であり、70歳以上の患者様にあっては、約67%を占めており、毎年高齢化率が高くなっています。